あるチームの2番手として、みんなのまとめ役としてとても慕われている人がいます。
ご本人は一言でいうとポジティブタイプ。
そして人の話を聞くのが好き。
部下の良いところを探して、「こうするともっとよくなるよ」という切り口でフィードバックするタイプの管理職の方。
部下の人たちからも、とても慕われている様子がいつも聞こえてくる人。
その人と「部下の指導をどうしているか」ということについて一対一で話す機会がありました。
その人曰く「とにかく相手の話を聞いている時には、その人の状況や心情だけが気になるんです。何がそうさせているんだろう、という事が分かりたくて話を聞いています。」
部下の評価は「傾聴力がとても高い」。
とにかく聞いてくれる上司なんですね。
いろいろな話の最後の方でその人が「自分は「今」にとても興味があるんです。」と。
「だから傾聴できているということなので、それはとても良いことじゃないですか?」と私。
「でもそのかわり先のことを考えるのが得意ではないので、その場で先を見据えた判断がパッとできないのが悩みなんです。」
なるほど。
少し前に全くタイプの違う管理職の方のことを書きました。
部下の話を聞きながら、同時に処方箋を頭の中で用意するようなタイプの人です。
その人とこの聞き上手な方、タイプが真逆なんですね。
「今」目の前の相手に全力で集中して、その場にずっと居続ける上司。
目の前の部下が近い将来遭遇するであろう状況を瞬時に思い浮かべて、先読みした提案を頭の中で組み立ている上司。
お二人とも優れた成果を出しつつある管理職の方です。
部下、上司ともに評価の高い方達。
どちらか一方のタイプでなくてはならない、ということではありません。
ただし、「今」タイプの上司の方はいろいろ話をした結果、部下に安心して働ける環境を提供するために、少し先に起こりうる事にも目を向けていきたいと決意していました。
今は2番手だけれど、将来的にチームの一番上に立って大きなビジネスをドライブするという自分の立場を考えた時に、処方箋を考え出す能力も重要だと気づいたようです。
タイプは全く違っても、それぞれ持って生まれた良さがうまく発揮できると、効果的なリーダーになれるという例を見せていただいた気がします。
ちなみに私も「処方箋タイプ」。
このタイプ、話の結末が透けて見えてるから早く喋らせてよーとならないようにしないと、相手のやる気をそぐ可能性大(自戒を込めて)です。
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