管理職研修ではプライベートな話題もたくさん出てきます。
「着物の着付けを勉強していた時に、だんだん着れるようになってくるとものすごいプレッシャーで。着物の格や帯の勉強や、それぞれに合わせた着付けを勉強しなくてはならない。もっとレベルの高い着物を買わなくてならない。そんなプレッシャーがすごくて。結局着付けが出来るようになった時には、着物を着ることをやめてしまった。」という体験を話してくれた人がいました。
これ、「何かが出来るようになったとに、後退してしまった体験はないですか?」という話の中での体験共有でした。
出来なかったことが出来るようになる。
本来ならとても嬉しいし、達成感でもっとやりたい!とモチベーションが上がるはずなのですが、残念なことに周囲の励ましが過大なプレッシャーとなってしまい、上がっていた意欲が後退してしまう。
能力が高いのだから、もっともっと勉強して上を目指しましょう!というのが着付けの先生の意図だったはず。
出来る人を励ましてもっと上のレベルを目指させる指導そのものは、決して間違ってはいませんよね。
ただ、その人が「励まし」を「キツいプレッシャー」と感じていたとした全くの逆効果です。
じゃあどうすればよかったのでしょうか。
まずは、着付けが自分で満足できるレベルまで出来るところにたどり着けることに集中させてあげると良かったのでしょうね。
次のレベルの話をするのは、たどり着いた後ですれば良いことだった。
でも指導する方は、もっともっと先に行かせたい!という期待から、先に先にやる事を見せすぎてしまう。
まだ道半ばの人にとってその先の話はあまりにも遠くて、目指すことに疲れてしまうのです。
着物の話から、部下指導の話に広がった研修での時間でした。
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